第43章 Around-宮殿巡り-
【白瑛殿】
「じゃんじゃん食べてね!」
霙に案内された部屋に通された二人は衝撃を受けて固まる。
巨大なテーブルの端から端までを使って並べられた巨大な皿の数。その皿には大量の料理がこれでもかと云うほど盛られている。
「え…何これ。おもてなしって言うからてっきり『ビシバシしごくぞ!』的なイミだと思ってたのに普通におもてなしされてんじゃねーか…」
「…そうみたいだな…」
「スゲ──!!!」
対照的な二人とは逆にコンは興奮している。
「どんどん食べてね〜」
「スゲーじゃねーかオイ!食おうぜ食おうぜ!
イヤーめちゃめちゃハラ減ってたんだよオレ!!」
「バカ!何もナシでこんなもん食わせてくれるワケねーだろ!バカみてーな修行の口実になるハズだ!油断すんじゃねーよ!」
「むぅ…タバスコとか毒とか入ってないよ!!」
「当たり前だ!!そんなの仕込んでたらいくらおもてなしされても食えねーわ!!」
「本当に何も入れてないよ!二人に意地悪したら梨央ちゃんに怒られちゃうもん!まぁ…るーたんなら別だけど♪」
「誰?」
「御影琉生だろ」
「ああ…あのウザメン」
すると奥の厨房からカエルのロボットが大皿に盛られた料理を運んで来た。
「この子も霙が造ったんだよ!」
「これをオマエが?」
「うん」
「へえー、すげーな」
「霙は天才だからね!」
胸を張って自慢げに答える。
「今度いっちーにも造ってあげる!」
「お…おお…サンキュ…」
正直いらないと思った。
「奥の厨房にも料理を作ってる子達がいるんだよ」
「オマエが作ったんじゃねえのかコレ!?」
「霙はいつだって食べる専門!」
「威張って言うことでもねーけどな」
「ここでの霙の仕事は二人をお腹いっぱいにさせること!そして二人の仕事はここでお腹いっぱいになることだよ!さぁ満足するまで食べて!あの子達が一生懸命料理に腕を振るうから!二人とも“めちゃくちゃにお腹減ってる筈だよ”!」
ぐ〜〜〜
「お…おおッ!?
言われてみればスゲー腹減ってるぞ!!」
「よ…よし!食うぞ一護」
「おう!」
「「いただきまーす!!!」」
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