第40章 Periculo-性格の不一致-
「隊長もコイツを怒らせるような発言は控えてくれないと…」
「勝手に怒っているのはそっちだヨ。そのすぐキレる性格、直した方が良いと思うがネ」
「隊長こそ昔から何度も言ってますが、その横柄で傲慢な性格、直した方が良いと思いますよ」
「余計なお世話だヨ」
「私こそ余計なお世話です」
一触即発な二人の空気に…
カツン!!
山本は少し強めに杖を床に叩きつけた。
まるで“いい加減にしろ”と言っているかのように…。
それを見て二人は口論するのを止め、互いに目を逸らす。
「これにて隊首会を終了とする」
険しい顔を浮かべたまま、梨央はその場を立ち去った。
「いやぁ…相変わらずあの二人は仲が悪いねぇ」
「今日のは特に激しかったな」
「こればかりはしょうがないよ。
お互いにソリが合わないのさ」
「修羅場にならずに済んだな」
「その寸前だったけどね」
「あの二人が助け合う日は死んでも来ないだろうな」
「お互いに借りは作りたくないだろうしね」
「何であんなに仲が悪いんだろうな…」
「そういう運命なんだよ」
「それはもう…仕方ないな」
「でしょ?」
浮竹と京楽は苦笑したのだった。
「しかし驚いたねェ。僕等は梨央ちゃんが投獄された本当の理由を知らなかった」
「あぁ…確かあの時は平子隊長達を守れなかった自分を悔いて、罪滅ぼしの為に自ら投獄される事を選んだと言っていた」
「彼女、言わなかったからね。濡れ衣を着せた犯人の名前を。…そうか…藍染惣右介達が…梨央ちゃんの存在を消す為に色々計画してたんだね」
「……………」
「よりにもよって思い付いたのが、四十六室の査問に掛けて第零監獄に閉じ込める事とはねぇ…」
「今日、あいつの口から語られた事が百年前に起きた真実の全てなんだな」
浮竹は複雑な表情を浮かべる。
「頑張ったよ、あの子は。光の無い暗闇の世界で百年間、堪えたんだ」
京楽は笑みを見せる。
「唯一彼女の精神を支えていたものは仲間と兄の存在だろうね」
「本当に強くなった」
浮竹は父親のような優しい顔で微笑んだ。
next…
[死神代行消失編:完結]
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