第36章 Orbis-交わる世界-
【零番隊舎:会議室】
「対象は銀城空吾と月島秀九郎」
「銀城って…」
「先日、石田雨竜が何者かに襲われ重傷を負った。幸い命に別状はないらしいが…恐らくこの二人のどちらかの犯行だと思われる」
梨央は報告書を読み上げる。
「そして銀城に至っては黒崎一護に接触してる可能性が高い」
「何のために?」
「黒崎一護に死神の力を取り戻させる」
「!」
「取り戻させる…ってどうやって?」
「そこら辺は調べてみないと」
「調べる?」
「おい…まさか…」
ニヤリと笑った梨央に嫌な予感がして蒼生は顔を引攣らせる。
「友達が困ってるのに手を差し伸べないでどうする」
蒼生は項垂れて頭を抱えた。
「元気かなぁ」
あの戦いから17ヶ月
一年ちょっとが経った───。
◇◆◇
現世───空座町。
「懐かしいな」
義骸に入って空座町の街を散策する。
「いっちーの霊圧は消えてるし…どうするかな」
霊圧を探れば一発で位置を特定できるのだが、一護の霊圧は藍染との戦いで全てを失くしてしまった。
「仕方ない…このカードを頼るか」
手には黒いカード。
「XCUTION(エクスキューション)…」
そう、文字で書かれていた───。
伝令神機でカードの情報を読み込むと画面に地図が表記される。
「…おんぼろだな」
着いた先は今にも崩れ落ちそうなマンションだった。
「本当に誰か住んでんの?」
ドォン!!
「………っ!」
突如、爆発音が鳴り響いた。
驚いてマンションの屋上を見上げると複数の霊圧も探知できた。その中には今回の対象である銀城と月島の霊圧も感じた。
「ビンゴ…!」
まさか二人揃ってるとはツイてる!!
「…どうするかな」
死神化して戦うのは簡単だが
まずは様子見だな
「わくわくする♪」
ズドォォン!!
「しっかし…激しく殺り合ってんなー」
マンションの中に入りエレベーターに乗り込む。
「結構揺れてんじゃん」
移動してる間にも激しい地震が起こる。
.