第29章 バケモノ ト ジコギセイ
「お褒めに与るとは光栄だな。隠密機動は見栄えを褒められる事の無い仕事だ。礼の代わりに───その見世物で止めを刺してやろう!!」
自分に向かって突っ込んで来る砕蜂に鞘から刀を引き抜こうとした藍染。だがその背後から氷が襲い掛かり、身動きを封じられる。
「!!」
ドッ
「弐撃決殺」
ドンッ
藍染の胸に突き刺さる。
「…“弐撃決殺”か…面白い技だ」
「!!」
「だが届かない」
その手は惜しくも藍染によって阻まれた。
「…な…」
「死神の戦いは霊圧の戦い。君如きの技の能力など私の霊圧で全て抑え込んで見せよう」
ドッ
「…何…」
背中から刀で突き刺される。
「…迂闊だねえ、“氷”に“影”が出来てるよ」
氷に写る藍染の影の中から京楽が現れた。
「京楽…貴様…」
「…終わりだ藍染」
そこに刀を構えた日番谷が勢いよく突っ込んで来る。
やはり若い
勝機と見れば謀り無く斬り掛かる
それが君の最大の欠点だ 日番谷隊長
だが藍染は気付く。
しまった───逆だ
ドッ
後ろから鋭く尖った刀が胸を貫通した。
日番谷は渾身の力で藍染を深く突き刺した。
next…