第28章 ザンゾウ ト カタワレ
「あら、私は貴方を信頼しているのですよ涅隊長。大丈夫、この実験は必ず“成功します”。虚圏(ウェコムンド)まで来て破面(アランカル)の科学資料を使って解析した黒腔(ガルガンタ)が“失敗しました”では浦原喜助に笑われるでしょうから」
「…良く考えて喋る事だネ…“解析した”という事は黒腔(ガルガンタ)を途中で閉じる事もできるという事だヨ…!」
「それは流石ですね。勇音!」
「はい!」
「貴女はここへ残って朽木隊長達の補佐を。
さあ参りましょう。黒崎さん、梨央さん」
「ま…待ってくれ卯ノ花さん!あのヤミーって奴は強いんだ!そりゃ白哉も剣八も強いのはわかってるけど…俺も残って4人で戦った方がいい!だから梨央を先に現世に向かわせてやってくれ!」
「思い上がるな黒崎一護。護廷十三隊の隊長に兄如きが助けになる腕の者などおらぬ」
「…白哉…」
「朽木隊長の言う通りだよ。
私達の力を見誤らないで」
「梨央…」
「今日のキミは少しワガママだぞ。前に私もヤミーと手合わせしたけど全ッ然余裕だったよ。むしろラスボスより弱いクソゲーだった」
梨央は笑う。
「だから此処は朽木隊長と更木隊長に任せておけばいいんだ。キミの勤めを忘れたの?」
「!」
「私と卯ノ花隊長と共に現世に行って藍染達を倒すんでしょ?」
「梨央の言う通りだ。兄の勤めはあの街を護ることだ。行け、兄は空座町の死神代行だろう」
「…あア、そうだ、行ってくる」
next…