第27章 ホロウカ ト カイホウ
「丁度いい、よく見ておけ。
お前が希望を託した男が命を鎖す瞬間を」
「やめて!!!」
ドッ
一護の胸に穴が空く。
目の前が一瞬で絶望の色に染まった織姫。
彼女は悲鳴を上げた。
「いやああああああああ!!!!」
落下する一護を六花で受け止める。
駆け寄ろうとする織姫の前にウルキオラが現れた。
「無駄だ。近付こうとお前程の力では奴の命を繋ぐことはできん」
すると弓を構えた雨竜がウルキオラの後ろから矢を放つ。だが矢は当たることなく、ウルキオラの大きな翼で弾き返されてしまう。
「…意外だな…お前は黒崎一護の仲間の中で最も冷静な人間だと踏んでいたが」
「…冷静さ。だから君と戦う余裕がある…!」
ザッ
「!」
ウルキオラが雨竜に気を取られている隙に背後に回って刀を振り下ろした。
ガッ!
「…チッ」
さすが鋼皮(イエロ)
硬くて全く傷が付かない
「私の友達を傷付ける奴は絶対に許さない…!」
「……………」
悔しさに顔を歪めるがウルキオラはジッと梨央を見ている。
「貴様がその言葉を口にすると薄っぺらく聞こえるな」
「!」
「コイツ等を本当に友だと思っているのか」
両手に持ち替えた刀を勢いよく振り下ろした。
ザシュッ
咄嗟にその場から退いたウルキオラ。
「……………」
だが、頬に一筋の傷跡が刻まれていた。
「…なんなんだよ、その馬鹿げた質問は。キミは何か?私が発する言葉は全て偽りとでも言いたいのか。…本当に腹ただしい」
顔を俯かせて呟く。
「よォく聞いとけよ、破面…」
「!」
「この戦いでキミは敗れる」
「言ってる意味が解らんな」
ゆっくりと顔を上げ、ウルキオラを見る。
「すぐに意味を理解するさ。私達は信じてる。みんなの心を一つにすれば必ず希望が訪れることを」
「なら聞くが心とは何だ。
貴様を斬り刻めば視えるのか」
すると梨央はフッと笑った。
「キミには解らないよ」
その直後だった…。
「たすけて黒崎くん!!!!」
織姫の悲痛な叫び声が響いた─────。
next…
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