第24章 セカイ ト ヤクメ
「あれは…更木隊長?」
一護の霊圧を追って到着すると既に獣同士が戦いを始めていた。
「朽木隊長…卯ノ花隊長…ゲッ、涅隊長までいるし」
うんざりとした表情をしながら一護に歩み寄る。
「梨央!」
「やあ」
片手を上げると一護は顔をしかめた。
「オマエ…遅えんだよ」
「ごめんごめん」
「!なんか顔色悪くねえか…?」
「大丈夫だよ」
へらりと笑って誤魔化す。
「梨央ちゃん!」
「織姫ちゃん!ネルも無事だったか!」
ネルを抱えた織姫が笑顔で駆け寄る。
「十刃に連れ去られた時はどうしようかと心配したけど無事で本当に良かった」
「うん、助けに来てくれてありがとう」
二人は笑い合う。
とりあえず織姫ちゃんの救出は成功したが…
「あの二人はスゲー戦いをしてくれるね」
更木隊長の戦いを見ていると
彼が殺害した前十一番隊長との
無惨な試合を思い出す
「気をつけろ十刃、更木隊長の眼帯を狙えばキミは終わりだ」
そんな矢先、十刃であるノイトラは更木の左眼を覆っている眼帯を外してしまう。その瞬間、封じ込めていた彼の霊圧が一気に溢れ出す。
驚いたノイトラは躱す反応が遅れ、更木が振り下ろした刀で身体を引き裂かれてしまう。
斬られた箇所からは大量の血飛沫が派手に宙を舞った。
「…ちっ…バカが。眼帯外しやがるから加減し損ねたじゃねぇか」
「はぁっ…何だ…てめえの…はぁ…その…眼帯…」
「封だよ。俺ァこの眼帯で霊圧に封をして抑え込んでんだ。戦いをじっくり味わう為によ。まだ立ってんな?生きてんのか?それとも死に損ねただけか?」
「…馬鹿が…俺が死ぬかよ…俺が…てめぇの…てめぇ如きの剣で!俺が…俺が…ッ俺が死んでたまるか!!!祈れ!!『聖哭螳狼(サンタテレサ)』!!!」
あれが彼の刀剣解放…
「腕が…倍になりやがった…そんなんありかよ…傷も…塞がってやがる…嘘だろ…眼帯外した剣八がつけた傷だぞ…!?…剣八…!」
「落ち着いてよいっちー。そんなに心配する必要ないよ。あの人があんな雑魚に敗けるはずないんだから」
「でもよ…」
「大丈夫」
梨央は力強く言った。
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