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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第24章 セカイ ト ヤクメ




ザワ…ッ



「チャド…!?」



「(霊圧が…消失した。)」



ぐっと顔をしかめる。



「!」



すると茶渡とは別の霊圧を近くで感じた。



「いっちー」



「どうした?」



「少し別行動でもいい?」



「はぁ!?オマエ何言って…」



「お願い」



「!」



「必ず追いかけるから」



「…わかった。絶対に追って来いよ」



深くは聞かず、地を蹴って速度を上げた一護の背中を見送る。



「さて…この辺だな」



肘を伸ばし、開いた掌を壁に向ける。



「破道ノ六十三『双蓮蒼火遂』」



掌から放たれた蒼い光が壁に大穴を空けた。その穴を通って霊圧を探る。



「こんなところで何をしている」



「気配を消すのに慣れてるんだな」



“名も亡き人形”



黒マントで全身を覆った人物だ。



「何をしているのかと聞いている」



「キミの霊圧を感知したから追ってきた」



「何故追う」



「キミに興味があるから」



名も亡き人形は気分を害し、嫌悪の眼差しを差し向ける。



「そう邪険にしないでよ」



「お前は何故他人の為にそこまで必死になれる」



「友達だからだよ」



「友達?」



「私は友愛主義者だからね。友達を愛しているから、友達の為に必死になるんだ。織姫ちゃんは私の大事な友達。だから此処まで助けに来た」



「井上織姫は自らの足で藍染惣右介の許に向かった。彼女はお前達を裏切った。それでもお前はあの女を助けるのか?」



「違うな。彼女は奴の許に行かなければならない理由があった。それは裏切りじゃない。織姫ちゃんは私達を守る為に自らの足で藍染の許に行ったんだ」



「…お前達を守る為?何故そう断言できる」



「井上織姫という少女はそういう子だからさ」



「………………」



「彼女は優しい。真っ白で、何色にも染まってなくて…誰かの幸せを願える人間だ」



「何色にも染まってないか…」



名も亡き人形は、ふっと小馬鹿にした笑いを漏らした。



「お前はどうなんだ」



「…どういう意味?」



「お前は何色に染まっている?」



「!」



「真っ白…ではなさそうだがな」



梨央は冷めた目で名も亡き人形を見る。



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