第20章 モクテキ ト オウケン
「以上が総隊長からの報告だ」
部屋に戻るとモニター越しに映る仲間達を集め、先程の話をした。
《まさか藍染が『王鍵』の創生法に気付くなんて…》
《藍染を霊王に近付けさせる訳にはいかねえな。》
《このまま野放しにしておくの?》
「何か最適な方法があればいいんだが…」
《はいはーい!裁判長!
最適で効率が良い方法があります!》
「発言を許可します」
《あ、珍しく乗った。》
元気に挙手する霙の横で雅が言った。
《るーたんを囮に使って藍染達を抹殺しちゃえばいいと思いまーす!》
《ちょっと霙チャン!?》
「興味深い…話を続けたまえ」
《全然興味深くないっスよぉ!!》
《まずは蒼ちゃんの潙坐波の能力で炎の檻を創って、その中にるーたんと藍染達を閉じ込める!そして最後は梨央ちゃんの天照の能力で藍染達をこの世から消しちゃえば問題解決だよ☆》
「それは面白…良い提案だな」
《ちょっと待って!!それだとオレごと巻き添えで死亡グラフ決定じゃないスか!!そもそも嫌っスよ、天照の“闇”に呑まれるなんて!!》
「琉生は文句が多いな」
《何で溜息!?つーか梨央チャン!!さっき面白いって言いかけたっしょ!?》
「冗談に決まってるだろう?」
《目がキラキラ輝いてた!!》
「キミのせいで話がズレた。というか琉生、キミが死ぬのは女に刺される時だ。まだ早い、気長に待て。さて…本題に戻るけど…」
《何その雑な扱い!?え、ちょっと…さっきの提案、冗談スよね?》
「……………」
《梨央チャン!?何で黙ってるんスか〜!!》
涙目の琉生が梨央に訴えかける。
《死神代行はどうしてる?》
「修行中だよ」
《修行中〜?》
「強くなる為のね」
《その男、信用できるの?》
「私が保証する」
《…梨央ちゃんはその人と友達?》
「ああ。初めて出来た人間の友達。彼ね、とても頑張り屋さんなんだ。修行を重ねればまだまだ強くなる」
《その人は、君にとってどんな存在?》
雅に問われ、目を閉じてニコッと微笑み、嬉しげな声で答えた。
「───私の『希望』だよ」
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