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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第19章 キケン ト オアソビ




《聞こえるか仁科、空座町東部に“破面”の反応だ。数は二体。その霊圧・濃度・安定性から見て──『成体』であると思われる。すぐに向かってくれ。》



「二体…その程度の数なら倒せそうですね」



《初っ端から本気出してうっかり“やり過ぎるな”よ?》



「雑魚相手に本気なんか出しませんよ。てゆーか阿近さん、兄と同じこと言うのやめてください」



《お前、戦闘に“ハマり過ぎる”と容赦ねえだろうが。何の為の制御装置だと思ってる。それ壊したらもう作んねえからな。》



「そんな阿近さん!酷いです!」



《ならもっと“やり過ぎない程度”に戦え。》



「無茶言わないでくださいよぉ〜」



青蝶から聞こえる阿近の声に溜息を吐く。梨央はうんざりした顔で阿近の説教を半分聞き流していた。



「私だってそこまで鬼じゃありません。最初から本気を出してうっかり殺すなんて真似、するわけないじゃないですか」



《程々にしとけ。》



「!」



《お前の中の鎖が切れたら元も子もねえんだぞ。それで何度高峰からこっ酷く叱られてんだ。》



「彼は少し過保護なんですよ」



《お前が無茶ばかりするから過保護にもなるんだろ。》



「……………」



自覚がある為、阿近の言葉に何も言えない。



《それと…自分で自分を壊そうとするのはやめろ。》



「!」



《自覚、あるだろ?》



「…初知り、です」



《嘘つくな。一応これでもお前との付き合いは長いんだ。お前が自分を犠牲にして生きてることくらい、俺でも分かる。》



「……………」



《大切なんだろ。仲間が。兄貴が。》



「はい…」



《だったら“正しく生きろ”。自分の大事なもん、自分で壊そうとするな。》



「(正しく生きる、か…。)」



眉を下げ、自嘲気味に笑う。



《…悪いな、説教みたいになっちまって。》



「いいえ、肝に命じておきます」



ぐん、と速度を上げ、目的地に到着する。



「!」



《どうした?着いたか?》



「…阿近さん、全て片付いたら連絡します」



《…………、…そうか、分かった。》



その声色から素早く状況を察した阿近は、何も聞かず、通信を切った。



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