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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第16章 トモダチ ト ナカナオリ




メニュー表を閉じて店員にニコリと微笑む。店員は顔を引攣らせたまま笑い返し、慌てて厨房の奥へと姿を消す。



すると厨房の方から“全部!?”という非常に驚いた声が聞こえたのは気のせいではないだろう。



「あんた本気…?」



「何がですか?」



「デザートよ。全部食べられるの?」



「だから頼んだんです」



「でも結構な種類だけど…」



「だって半額キャンペーンだし」



「お前の胃袋はブラックホールか」



「別腹って言ってほしいな」



「あのね…梨央ちゃん…」



「ん?」



「聞いてもいいかな…?」



「答えられる質問であれば」



「その…桃香ちゃんって、今はどうしてる…?」



「!」



「あ、別に心配してるんじゃないよ!?ただ…気になっただけで…」



「……………」



「答えづらければ無理にとは…!」



「自殺したよ」



その返答に四人は驚いた顔をした。



「自殺?」



「兄妹揃ってね」



「そうだったんだ…」



「桃ちゃんが気に病む事じゃないよ。そこが彼女の“終着地点”だったんだ」



本当は殺害されたのだが、混乱を防ぐ為に自殺という名目で公にする事に決めていた。ただ唯一、気を抜けないのは、四十六室が『他殺』だと気付いた時。そうなれば真っ先に疑われるのは梨央だ。そして彼らは、どんな理由であれ、再び彼女から光を奪うつもりでいる。



「(二度とご免だ。)」



また仲間と離れ離れになるのは。彼らに辛い思いをさせるのは。二度としてはならない。だからこそ四十六室の目に触れる為、あの二人は『自殺』だと思い込ませなければならない。



「(まぁ早々『他殺』だと疑う奴はいないだろうが…)」



「なァ仁科」



「何でしょう?日番谷隊長」



だから油断していたのだ。



「冴島は本当に自殺だったのか?」



突然の発言に、息を呑む。動揺を悟らせない為に無理やり表情を保ち、日番谷を見る。



「(っとにこの人…鋭い。)」



その翡翠の瞳は 真実を見抜く力がある



きっと彼は気付いている



それでも───……



「ええ、自殺ですよ」



「そうか…。悪かったな、変なこと聞いて」



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