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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第16章 トモダチ ト ナカナオリ




「私も色々騙してたしね」



続けてそう言えば、二人は戸惑うような、困ったような表情を浮かべる。



「お互いに許し合うのが一番の解決法だよ」



「でも…!」



「何か不満?」



「だって…そんなの都合が良すぎます…」



「俺達が許してもらえる立場じゃ…」



「そうだね。確かにキミ達は間違った道を進んだ。そして一方的に私を責め立てた」



「「っ………」」



「それでも許すよ」



「どうして…」



「だってキミ達は守ろうとしただけでしょ?」



「「!」」



冴島桃香を守りたかっただけ。



「ただ、その“守る方法”が間違っただけ。そしてキミ達はその間違いに気付いた。だから私にそんな顔をしているのでしょう?」



誰かを傷付けてしまった、罪悪感。取り返しのつかない事をしてしまった、罪悪感。二人の心は大きな罪悪感で押し潰されそうになっていた。



「でもまぁ…それでも自分のしたことが許せないって言うならさ…」



閉じたメニュー表をテーブルに置いて、二人に向けて手を差し出す。



「「?」」



その手を見下ろし、恋次と雛森は疑問を浮かべる。その手は何の為に差し出されたのか。その意味を理解する前に梨央が言った。



「私と友達になってよ」



「「!?」」



その提案に恋次と雛森は驚き、傍観していた乱菊と日番谷も二人と同じ表情を浮かべている。



「…友達?」



「名案だと思うんだけど」



「いや…え?本気で言ってます?」



「本気に決まってるでしょ」



「「……………」」



「こう見えて私は友達を大事にするタイプなんだ。だからキミ達が私にした全ての仕打ちは“友達同士の喧嘩だった”って云うことで許してあげる」



雛森は泣きそうになるのをグッと堪え、口をキツく結んでいる。恋次の眼にも微かに涙が浮かんでいるようにも思える。



「あたし達は最低なことをしたんですよ…。それなのに…許せるんですか?」



「許すよ。もちろん友達になってくれたら」



二人は差し出された手を無言で見つめる。



「私と友達になろう」



優しく笑んだ梨央の手を、涙ぐんだ表情で嬉しそうに笑い、自分の手と重ねた。


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