第14章 零番隊vs護廷十三隊

「拳銃…？」



「ぐあっ!!」



「！？」



突然肩口に鋭い痛みを覚えた隊士が悲鳴を上げ倒れた。結界の外にいた隊士達もザワつき、驚いた表情を浮かべる。



「お、おい…!!」



「一体何が…!?」



「ほらほら他人の心配してる場合じゃないよー」



「！！」



「早く仕留めないと鬼が来るよ」



「“鬼”って…まさか…」



嫌な予感を頭に残し、恐怖に染まる顔のまま、後ろを振り返った。



「う…うわああー!!」



「ひぃぃっ!?」



「何で!?」



先程の弾丸が軌道を変え、猛スピードで隊士達に迫る。



「避けたはずだろ!!」



「何で方向変わってんだよ!?」



「つーか威力が全然落ちてねえ…!!」



「とにかく逃げるぞ!!」



「逃げるってどこにだよ!?」



「やばいやばい!!こっちに来る!!」



逃げても逃げても方向を変える弾丸が追いかけ、隊士達は自然と一ヶ所に集まってしまう。



「なんなんだよ!?てめえの斬魄刀は!?」



「何で生きてんだよ!!普通は壁に貫通するか威力が落ちるだろ!?」



「特別に解説してあげる」



解説する間も隊士達は弾丸から逃げまくる。



「霙の斬魄刀は桜姫って言って、すごーく可愛い子なんだよ♪普段は刀だけど始解すると桜色の二丁拳銃に変化するの♪」



「二丁拳銃…？」



「そして今貴方達を苦しめてるのは、一つの弾が分裂して拡散する技。狙った相手の身体に弾が撃ち込まれるまでその威力と速度は落ちることはないんだよ」



「撃ち込まれるまでって…」



「だからどの方向に逃げても、いくら躱しても、弾も同じように相手のいる方向に軌道を変えて必ず仕留める。だから霙は“鬼ごっこ”って呼んでるの☆」



隊士達は絶望する。



「早く貴方達の身体に風穴が空かないかなぁ」



ぐにゃりと顔を歪ませた霙に隊士達は怖くなり、危険を回避しようとする。



「とりあえず立て直すぞ!!」



「どうやって!?」



「俺が知るかよ!!」



「なんだよそれ!!」



「じゃあお前が考えろ!!」



「ふざけんな!!言い出しっぺはてめえだろ!!」



焦りと困惑の中、隊士達は仲間割れを始めた。


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