第13章 特別隊首会
「てめえのようなクズは生きる価値なんてねーよ!!」
「とっとと死んで償え!!」
「お前が死ねばみんな喜ぶ!」
「死ぬことで許されるんだ。安いだろ?」
「だから桃香ちゃんの為に死ねよ!」
「てめえなんかこの世から…“消えちまえ”!!」
ダァァン!!!
凄まじい音が大広間に響き渡った。隊士達はもちろん、そばにいた仲間達でさえ、その音に驚いた。
「………………」
全員の視線が一気に蒼生に注がれる。妹を侮辱され、更には“消えろ”という言葉に激しい怒りを覚えた蒼生はブチ切れ、後ろにある壁を拳で思いきり殴りつけた。
流歌は表情を変えなかったが、こんなにブチ切れた蒼生は初めて見るのか、琉生達は目を見開き驚いている。
「消えろ…だと?」
ぶわっと霊圧が怒りで一気に上昇する。だが制御装置のおかげで隊士達に影響はないが、蒼生の怒りを買った隊士達は恐怖で言葉を失い、顔を青ざめさせている。
「ふざけんじゃねえ…」
蒼生は強い憎しみと殺気を宿した鋭い眼光で隊士達をギロッと睨みあげた。
「取り消せ、今の言葉。」
「蒼ちゃん!血が…!」
壁を殴りつけている拳から壁を伝い、血が流れ落ちる。慌てた霙が言うが、蒼生には届いていないようだ。
「生きる価値はねえだと?死んで償え?その女の為にこいつの命を消せって事か?」
「蒼生、少し落ち着いて」
「ふざけんなよ…何でてめえらの為にこいつが死ななきゃならない。こいつの命をてめえらが勝手に殺すんじゃねえよ」
雅の声すら今の蒼生には届かない。
「こいつはなァ…色んなモン抱え込んで生きてんだよ。昔っからずっと、大切なモン守る為に命張って戦ってんだ。それなのに…」
怒りが収まらない蒼生はギリッと歯を噛みしめる。
「生きる価値がねえからこの世から消えろだと?………っ、ふざけんじゃねえ!!!」
張り裂けそうな叫びが大広間に反響し、逃げ場のない声がそのまま隊士達に振り落とされる。
「俺から…こいつを奪うな」
最後の声は小さく聞き取れなかったが、蒼生の表情が切なげに歪められた。
「ふぅ…。……見てろよ馬鹿共」
自身を落ち着かせる為に深呼吸をして、真っ直ぐに隊士達を見つめる。
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