第13章 特別隊首会
「さて諸君、心の準備は…」
「バッチリだおー!」
言い終える前に両手を上に広げた霙が笑顔で答える。
「今日も元気いっぱいだね」
「だってずっと心待ちにしてたんだもん!元気満タン絶好調だよぉー!」
嬉しさでテンションが上がっている霙は、足元にいるリキュールを抱き上げ、その場でクルクルと回り始める。視界が揺れる激しい回転にリキュールは目を回す。
「リキュールが目を回してるよ」
「あっ…ごめんリキュール…」
雅に言われ、ハッとした霙は焦点が合っていないリキュールに謝る。目を回しながらもリキュールはビシッと敬礼した。
「やーこれで気軽に女の子をデートに誘えるっスわ。あー!戻れて良かった!」
「「「地獄に落ちろ。」」」
清々しい表情で喜ぶ琉生に女性陣達からの冷めた視線が突き刺さる。いつものように罵倒のダメージを受けるかと思いきや…。
「今日のオレ、鋼のメンタルっスから。三人が束で掛かって来ても平気っス!」
突き刺さる冷たい視線と共に鋼のメンタルで辛辣な三人の言葉を物ともせずに跳ね返す。
「特大ダメージにも心折れないっス!」
ドヤ顔で告げた琉生にイラッとした三人は更に辛辣な言葉で琉生の心を折りにかかる。
「何が鋼のメンタルよ。あんたが持ってんのはヘタレのメンタルでしょ。奇跡的にイケメンに生まれたからって調子乗ってんじゃないわよ」
「だって実際イケメンだし?オレの格好良さに惚れて女の子達の方から寄って来るんスもん。オレは“来るもの拒まず”っスから」
「あは♪るーたんって女抱けりゃ誰とだって寝ちゃうんだ〜。とんだクソビッチだなー。るーたんいっぺん死んでブサイクに生まれてきて☆」
「オレを求める女の子を拒む理由はないっスよ。それにお互い理解した上での合意っスから。というか、いっぺん死んだとしてもイケメンっスよ?だってほら、元がこんな美男子じゃないっスか」
「キミの女癖の悪さに文句をつけるつもりはないが…手当たり次第に食い漁ってるとそのうち刺されるぞ」
「女の子と一夜を共にして嫌がられたことも、刺されたこともないんで今のとこは大丈夫っス。それに向こうから寄って来るんだしオレが慰めてあげないと可哀想じゃないっスか〜」
「「「……………」」」
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