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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第11章 太陽の木漏れ日




「(でも…何もできなかった…)」



守ることすら



大切な人の涙を止めることすら



あの頃の霙にはできなかった



だからこそ、後悔したくないのだ



「(もう二度と…悲しませたくない。)」



霙の脳裏に仲間の姿が浮かび上がる。



「(霙の…“大切なモノ”。
今度こそ…守るんだから──!!)」



その時、頭を撫でられたような温もりを感じ、ふと目線を上に向けた。



「っ───……」



光に包まれた女性が、優しい笑みを浮かべ、愛おしそうに霙の頭を撫でている。



その瞬間、霙は大きな涙の粒を溢した。



「あっ……」



驚いた霙が光に包まれた女性を見て口を開き、何かを喋ろうとした時…。



バンッ



「「霙!!」」



弱まる霙の霊圧を追って、梨央と詩調が瞬歩で現れた。そして置かれた手の温もりが頭から離れると、その女性は最後に優しく笑み、光と共に消えてしまった。



「詩調…!!」



「わかってる!!」



詩調は急いで横たわる霙に駆け寄り、治療を始める。手を交差させるように霙の身体に翳せば、青い光が輝きを放つ。



「…梨央ちゃん」



「喋るな」



「ごめん…ね…」



「何でキミが謝る」



「…お昼…一緒に食べられなく…なっちゃった…せっかく…三人で行く約束…してたのに…」



「そんなのまた行けばいいじゃない」



「うん…でも…霙のせいで…約束…果たせなかった…ごめんね…」



「誰も霙のせいなんて思わないわ。
だから謝らないで頂戴」



「しぃちゃん…」



「むしろ謝るのは私達の方だ。キミを…危険な目に遭わせてしまった…申し訳ない」



「あたしも…もっと早くに気付くべきだった。ごめんなさいね…霙。」



「二人は…悪くないよ…。危機感が足りなかった…霙のせい…。二人に…迷惑かけちゃった…」



「違う。私がもっと配慮すべきだったんだ。キミ達のことを…守ってあげるべきだった」



「梨央ちゃんとの約束…守ろうと思ったの。迷惑にならないように…頑張って霊圧を抑え込もうとしたの…でも…意識が定まらなくて…上手くコントロールできなかった…」



「……………」



梨央は霙の頭を撫でる。



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