• テキストサイズ

✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第10章 大切だから許せない




「るーたんミミズ見つけたよー!」



「そんな気色悪いモノ早く捨てて下さい!しかも素手で触っちゃダメです!」



「ワラジ虫もいたー!」



「やちる先輩聞いてます!?」



「るーたんも触る?」



「ひっ!?」



ワラジ虫を差し出され、思わず素の声が出てしまう。



「まだいるかなー?」



「(昆虫探しじゃないんだけどな…)」



やちるを誘って花壇に花を植えようと思ったのだが、肝心の彼女は花を植える以前に、土を掘っていた途中で顔を覗かせた虫に釘付けだった。



「さて…植えましょうか」



「どんな花植えるのー?」



「知人から頂いた花の種です」



というもの、まだ零番隊が解散する前、現世のファッションショーを観に出かけた詩調が土産として花の種を買って来てくれたのだ。



「(あれから百年近く経つのに…。ごめん詩調。ちゃんと今から使わせてもらう。)」



心の中で謝罪して花の種が入っている袋を取り出す。



「見たことない花だね〜」



「現世の花らしいですよ」



「これは『チューリップ』で、こっちが『パンジー』って書いてある!」



「どれも素敵な花ですね」



「るーたんこれはー?」



やちるが指差すのは現世に存在しない珍しい品種の花だ。



「あぁこれは僕の故郷の花なんです。育てるのがとても難しくて枯らしてしまう方が多いんですが…僕も育ててみたくて」



「何て言う花なのー?」



「『幸福花』」



「幸福花…?」



「(そして母が好きだった花だ…)」



「白くて可愛いね!」



「その名の通り幸せの花です。結婚式で花嫁さんに贈る花として育てる方もいるみたいですよ」



「そうなんだ!」



「さ、ちゃちゃっと植えましょう」



「どれから植えるー?」



「その前に軍手を」



「このままでも平気だよ?」



「女の子が手を汚すのはいけません。
僕が更木隊長に叱られます」



「はーい」



そうして二人は花の種を植え終わる。



「出来た!」



「手伝って頂いて有難うございます」



「咲くの楽しみだね!」



「はい」



愛らしく笑むやちるの手を引いて十番隊舎に送り届けた後、また同じ場所に戻って来た。


.
/ 900ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp