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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第8章 カタウデの少女




『吠葛』



そこは東流魂街12地区に存在する



規模の小さい村の集落で



治安は低く、村人に危険性がないため



生活の自由度は高い




「ふむ…」



村に着いた梨央は顎に手を当て、周囲を見回す。



「いくら治安が低いとは言え、この生活環境は良くないな」



荒れ果てた大地に



汚れた格好の村人達



濁った井戸水を汲んでいる子供



枯れた畑を耕す大人



「うえー色が変色してるよ〜!」



足元を見下ろした霙が気持ち悪そうに顔を歪める。砂だらけの果実に沢山の蟻が群がっていた。



「腐ってる…」



詩調も顔を歪めて果実を見る。新鮮さを失った果実は色が変色しており、腹を空かせた蟻達が小分けにした果実の一部を巣に運んでいる。



「……………」



霙はしゃがんで蟻達が入って行く穴をじーっと観察している。



「どうした?」



「…穴、塞いじゃおうかな」



「やめろ」



悪戯心に火が付いた霙は砂で穴を塞ごうとした。それを近くで見ていた蒼生がすかさず止めに入る。



「やだなぁー蒼ちゃん。冗談に決まってるじゃん。霙そんな酷い事しないよ〜」



「嘘吐け。明らかに目が輝いてたぞ。穴塞ぐ気満々だったじゃねえか」



「…えへ☆」



舌を出し、頭をコツンと軽く叩いた霙は可愛らしくウインクをした。



「みんな顔色が悪いね」



雅は心配顔で村人達を見る。



食料が行き届いてないのか、顔は痩せこけ、ほとんどの村人達から生気を感じられなかった。



「なんかゾンビみたい〜!」



「まるで人形みたいだわ」



「ここが華月詩調の生まれた場所…」



「あー!死神だあ〜!」



外で遊んでいた子供達が梨央達に駆け寄る。その声に反応した大人達が一斉に振り返った。



「ねぇねぇ!
その服って死神が着るやつでしょ?」



「お姉ちゃん達は死神なのー?」



「そうだよ」



「やっぱりー!」



答えが当たって嬉しいのか、子供達は嬉しそうにはしゃいだ。子供と同じ目線になるように梨央はしゃがんで言った。


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