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【薄桜鬼】貴方と紡ぐ四季の唄

第3章 秋。



耳を澄ませば鈴虫がりんりんと可愛らしく鳴いている。
いつ聞いてもなんとも涼しげで美しい音色だ。
目を閉じてしばらく聞き入った。

「名前」

静かに呼ばれてそっと目を開く。
一さんを見ると茶器を指差して微笑んでいるではないか。

私が目を閉じていた短い時間の中で、何があったのだろうと指の先を辿る。
そこには、私が飲んでいたお茶の中に一枚の秋の葉。
紅葉がゆらゆらと浮かんでいた。

なんて趣のある事だろう。
嬉しくなって一さんを改めて見ると目が合って、くすくすと二人で笑い合った。
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