第10章 『あなたの背中。』木兎光太郎
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ざわりざわりと騒がしい会場。
コートを駆け回るおっきな背中。
その背中をずっと見ていた。
でも今は…
「夏乃ーー!」
コート内で私を見ながら大きく手を振る木兎くん。
そんな木兎くんに観客席から手を振ると今度は両手で手を振る。
そんなやりとりをしていると、木兎くんは木葉くんや赤葦くんに注意され、ちょっと不機嫌顔。
『木兎くんっ!頑張って!』
できる限り大きな声で応援すると、きらきらの瞳をこっちに向けて、にかりと笑っておうっ!と返事をした。
大好きだよ。木兎くん。
end