第5章 『覗く先。』灰羽リエーフ
『で、リエーフは何がしたい?好きにしていいよ?』
「違います。なんで先輩あんなこと…」
『ああ、私、木兎と腐れ縁ってやつなの。
愛情とか全くない。ただしたい時に呼び出されるだけの関係。』
こんなとこで再開するなんて思わなかったけどねーなんて言いながら笑ってる先輩を俺はなぜか抱きしめていた。
『同情?いらないよ?そんなの』
「いや、そういうのじゃないっす。
なんか昨日から先輩のこと気になって仕方ないんです。」
ああ、これは。
この胸のもやもやは
嫉妬だったのか。
知らず知らずのうちに好きになって、
独り占めしたくてたまらなくて、
それができているあの梟にジェラシーを感じた。
ただそれだけ。