第1章 『噛みグセ』 月島蛍 R18
放課後、部活が終わって帰宅する。
私は帰宅部だけど、一緒に帰るために放課後まで毎日待っている。
今日も終わったことをスマホのメッセージで告げられ、坂の下商店まで向かう。
「からかわれるのはイヤ。でも一緒に帰りたい。」
月島の可愛いワガママで決まった待ち合わせ場所。
坂の下商店で待ち合わせ。
月島を見つけたらそっと後を追う。
人がいなくなったら声をかける。
それが私たちのスタイル。
もともと家も近いのでそれで充分。
「ねえ、夏乃。」
月島は私の手を取る。
ちうっ
左の薬指を口に含む。
あ
くる
そう思ったと同時に鈍い痛み。
皮膚を引き裂くような痛みに顔をしかめる。
今回は皮膚が裂けてしまったようで朱い滴が滴る。
ソレを舐めながら月島は言った。
「シタいんだけど…」