第40章 『センセイ、もう一度質問いいですか?』灰羽リエーフ R18
先生は私に聞こえるように、ひとつひとつ、言葉を発し始めた。
「俺さ、あの日、制服で来た椎名を見て、急に俺が振り回しちゃ駄目だって思って」
「だって俺と椎名は先生と生徒で」
「椎名にはこれからたくさんの出会いがあって」
「あの時はまだ椎名は選択肢が少なくて俺を選んでるんだと思って」
「これから出会いがあれば俺なんつ忘れられるって思った」
「でも俺が駄目だった」
「酷い言葉で傷つけた顔が頭から離れなくて」
「女を抱けば忘れられるって思って手当たり次第にナンパだったりデリヘルだったりで抜こうとしたけれど勃たなくて」
「オナニーは椎名のことしか考えられなくて」
「いつもどこかで会えないかなって」
「探してた」
「会えて嬉しかった」
「でも酷い言葉で傷つけたし、勃起もしないんじゃ、ってさっきも酷い言い方で傷つけた」
「せんせ。」
少しずつ強くなる腕の力。
そっと手を添えるとぴくりと動く。
「質問、いいですか。」
「わたしは先生をすきでいていいんですか」
「先生をあきらめなくていいんですか」
「駅のホームで」
「街中で」
「何処かで逢えないかなって」
「先生を探さなくてもいいんですか」
吐き出したら止まらない言葉。
ずっとずっと必死に隠していた言葉が
ぼろぼろと溢れていく。
止まらない
止まらない