第38章 『S系女子の捕獲』 日向翔陽 R18
そのメッセージアプリがきたのは唐突だった。
あの飲み会から数ヶ月後、その存在を忘れていた彼からだった。
"夏乃さん、今週の日曜俺に付き合ってもらえませんか?"
つけてしまった既読マーク。
面倒だがそのまま電話を入れた。
数コールで繋がる電話。
そして明るい声。
「あ、夏乃さん!」
「何。」
「うわーつれないなぁ。」
「要件をどうぞー。はいばくん?」
そう。
電話をかけてきたのは、飲み会の時に声をかけてきたあの肉食ハーフくん。
挨拶がわりに、『翔ちゃん』とえっちしてますかー?なんて言うからつい通話を終了しようとしたけれど、話を続けられてしまう。
「で、本題なんですけど、今週の日曜空いてます?」
「呼び出す理由を教えて。」
「俺の彼女になってほしくて。」
うん、切ろう。
スマホを耳から外すと、異変を感じ取った肉食ハーフくんは大きな声で切らないでー!と叫んだ。
「説明させてください!夏乃さん!」
「…ちゃんとした理由がないなら切るから。」
「はーい。」