第37章 『彼は無気力系…?』 孤爪研磨 R18
side孤爪
くたりと力をなくした夏乃から自身を抜き取ると、おれは夏乃をそっと床に寝かせ、着ていたジャージをかけるとスマホを取り出し画面をタップする。
数回コールをすれば通話になったので相手に話しかけた。
「ねえ、クロ。近くにいるんでしょ。鍵空いてるから入ってきなよ。」
そう言い通話を切れば、すぐに開く部室のドア。
「おーおー。派手にやったねー。」
「クロだって隣で覗いてたくせに。」
そう、クロは他人のセックスを覗くことに興奮を覚える趣味嗜好の持ち主。
だからおれはたまにセックスをするときにクロを誘う。
今回はおれが激しいセックスをしたいからって協力してもらった。
「でもさ、今回研磨にしては激しかったじゃん。
それだけ夏乃チャンのこと好きなんだな。」
「クロうるさい。」
いつもだったらセックスして満足だから言葉なんて聞かないけれど、今日は自分を求める声が聞きたかった。
「まあ、俺は先に帰る。
研磨のカーチャンには適当に言っておくからちゃんと送ってやれよ?
あ、部室の鍵はそれスペアだからそのうち返してくれればいいから。」
「わかった。」
じゃあな、とクロが帰っていく。
俺は夏乃が起こさないようにタオルを濡らし体を拭いていく。
そして衣類を整えているともぞりと夏乃が動き始めた。
さて、なんて声をかけようか。
夏乃は可愛い顔で俺を見てくれるかな。
どんな表情でおれを見てくれるのか楽しみでしょうがないんだ。
だから、早く起きて…?
end