第36章 『残業終わりの甘い誘惑 後編』黒尾鉄朗 R18
言葉数少なく、私たちは居酒屋を出た。
普通だったら繋ぐであろう手は二人とも鞄かポケットに添えられている。
先を歩く課長の少し後ろをそっと追いかければ、着いた先はホテル街。
くるりと後ろ…私の方を振り向いた課長は私に最終確認をした。
「いいのか。」
「だめだったらここまで着いて来ません。」
そう言い切り課長を見れば、課長は私に手を伸ばした。
この手を取れば…
どきりと胸が高鳴る。
本当にこの手をとっていいのか。
迷惑じゃないのか。
一瞬考えたけれど、先ほどした濃厚なキスの先を見てみたくて、私は手をとった。