第32章 『S系女子のいいわけ』 日向翔陽 R18
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「…だからね、翔ちゃん。」
「なあに?夏乃ちゃん。」
「動けなくなるまでえっちするのやめてって言ってるじゃない!」
行為後のピロートーク…なんてかわいいものじゃなく。
わたしとしてはガチ説教。
でも翔ちゃんは全く怖がったりする様子、なし。
「だってタケちゃんの方が怖かったもん。」
いや、タケちゃん誰よ。
はあとため息をつきながら、行為前に投げ捨てられた鞄をベッドから引き寄せスマホを取り出す。
奈々花、置いて行っちゃったから怒ってないかな。
メッセージアプリを開くと未読が3。
2つは奈々花。
置いて行ったことへの疑問とかわいいスタンプ。
そしてもう1つはというと…
「"今度は日向に内緒でセックスしましょうね。"
夏乃ちゃんいつの間にリエーフとアプリのID交換したの⁈」
「ちょっと翔ちゃん⁈覗かないでよ!」
わたしのスマホの画面を覗いた翔ちゃんはぐいとわたしの腰を引き寄せる。
あっという間にわたしの体は翔ちゃんの腕の中。
座った翔ちゃんの膝に座ったわたしの体を後ろからぎゅぎゅっと抱きしめた。
「ねーねー夏乃ちゃん。スマホばっかりみないで俺のこと見てよ。」
わたしの肩に顎を乗せ甘えた声の翔ちゃん。
「さっきのえっちでわたしはお腹いっぱい!
でも、
朝ごはん、ホットケーキにしてくれるなら、いーよ?」
翔ちゃんは年下だから、こうでもしないと甘えられないんだもん。
それに、たまにはつまみ食いもしたい。
だって同じものばかり食べるの、飽きちゃうじゃない?
そんな言い訳をしながら、わたしはぎゅっと抱きつく翔ちゃんの頭をそっと撫でた。
end