第29章 『教室の秘め事〜0818〜』 灰羽リエーフ R18
「廊下静かだし誰もいないよね…」
そう、夏乃さんがこそりと言いながら化学室のドアを開ける。
まあ夏休みだし、いても部活をしている運動部くらいだろ。
そう思っていれば、突然夏乃さんの小さな叫び。
びっくりして夏乃さん越しに見えるドアをガラリと開ければ、ドアの横に小さく丸まったプリンヘッド…もとい研磨さん。
「研磨さんっ⁈」
「あ、リエーフ。やっと来た。」
床に体育座りをしてゲームをしていたらしい。
画面から顔を上げ俺の方を向いた研磨さんははぁとため息をつくと立ち上がり、プリントの束を俺に押し付けた。
「次の合宿の連絡のプリント、取りに来てって言われてたの忘れてたでしょ…
みんな用があるって帰ったから…」
「あ…」
そうだった。
夏休み明けの合宿のお知らせがあるって言われてたのにすっかりわすれてた…
「研磨さんありがとうございます…」
押し付けられたプリントを受け取り鞄にしまっていると、研磨さんがわざとらしく「あ…そうだ。」と話を続けた。
「別に学校で何しようが勝手だけど、声くらい抑えなよ…?じゃないと何してるかバレバレ。」
じゃあ…
と、問題発言をし、研磨さんは帰って行った。
やっべ…
「灰羽…くん?」
いつもは可愛くて綺麗な夏乃さんの、低い低い声。
これはやばいと振り返れば、真っ赤な顔をして怒った顔の夏乃さん。
「今日の…お泊まり…なし。」
「えー!」
久しぶりのオフ。
久しぶりの夏乃さんのお家だったはずなのに。
「まじでかー!」
ラブラブで過ごせるのはまだまだ先の話になりそうだ…
今度こそ本当にend