第27章 『貴方だけしか見えません。』月島明光 R18
何かが頭に触れる感覚を感じてゆるりと目を開く。
と、目の前にはゆるゆるの顔で私の頭を撫でる明光さん。
「おはよ。」
『おはよ…ございます。』
気恥ずかしくて、体ごと明光さんに背中を向けると後ろからぎゅっと明光さんが抱きしめる。
「俺、幸せすぎて死ぬかも…」
恥ずかしすぎて両手で顔を覆えば、頬に違和感を感じる。
何…これ…
恐る恐る手を離せば左の薬指にきらり輝く指輪。
「気に入ってくれたらいいんだけど。」
シンプルな形のその指輪の中心には淡いピンクの石が1つ埋め込まれている。
『可愛い…』
ふ、と呟いた私をさらに抱きしめた明光さん。
ねえ、と明光さんは私に問う。
私が明光さんの方を向けば明光さんはにこり笑って言った。
「家族になろうか。」
ほろり、涙がこぼれた。
やっぱり、明光さんは私が1番欲しかったものをくれる。
そっと涙を拭くと私は、微笑む明光さんの胸に飛び込んだ。
今までもこれからも貴方だけが好きです。
私のことを見ていてください。
私も、貴方だけをみています。
貴方だけを愛してます。
『だいすきです。明光さん。』
end