第26章 『貴方のことしか見えません。』 月島明光 R15
明光さんの誕生日当日。
その日のバイトはお休みをいただいた。
事前に許可をもらっているので、学校が終わった後まっすぐ明光さんの家に向かう。
途中で買い物をし、それを持って部屋に向かう姿はさながら奥さんのようでちょっと照れる。
渡された合鍵を使って部屋に入るとすぐさま準備に取り掛かった。
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「ただいま。」
PM7:00に変わる直前。
ドアが開く音と明光さんの声がして、私は玄関に走った。
『明光さんおかえりなさい!』
明光さんに向かって飛び込む私をしっかりキャッチしながら抱きしめてくれるのがすごく嬉しくて私も背中に手を回しぎゅっと抱きついた。
『ご飯、出来てますよ?』
そう言えば、明光さんは抱きしめた腕を緩め嬉しそうに笑った。
今日のご飯は自信作。
手を洗いラフな格好に着替えた明光さんは美味しそうにご飯を平らげていく。
『今日はケーキもあるんですよ?』
そう言うと、明光さんはにっこり。
「夏乃ちゃんはいいお嫁さんになるね。」
なんて言って笑う。
『じゃあ、もっと料理の腕あげるので、明光さんのお嫁さんにしてくださいね?』
「当たり前。夏乃ちゃんは俺のものなんだから。」
『あと1年…待っててください…ね?』
そう聞くと、明光さんは私の”約束の指”にキスをした。
end