第2章 『蜘蛛の糸』 灰羽リエーフ R18
身体を降ろされるが腰が立たず玄関に座り込む。
「ナカ…出しちゃいましたけど…」
「ピル飲んでるから平気よ…」
元からつける気なかったでしょなんで悪態をつきながら時計を見る。
時間は8時を少し過ぎたところ。
「朝練…なんじゃなかったの?」
そう告げると身だしなみを整えていたリエーフ君が慌てて携帯を取り出すとおびただしいほどの着信に顔を青くしている。
その場で着信元の携帯に電話をすると電話の主の声が受話器越しに響き渡る。
「リエーーーーフ!今何時だと思ってんだ‼︎」
「夜久さんっ!ごめんなさいっ!今行きます!」
「今から来たって朝練間に合わねーよ!部活の時にみっちり扱いてやる!」
「少しは手加減…きれたー‼︎電話切れた!」
リエーフ君は半端だった身支度を急いで整えると玄関を出ようとする。
私の顔を見ると先ほどの高校生の顔から雄の顔に変化させ、笑った。
「夜、また来るから」
ぱたんと
扉が閉まった。