第25章 『きらきらの貴方。 』 月島明光
「好きだよ。夏乃さん。」
あったかい手から伝わるのは優しい気持ち。
じんわり、心に染み渡るように伝わるのは月島さんの気持ち。
『うそ…』
「嘘じゃないよ。俺、好きでもない人とメッセージアプリのやり取りなんてしないよ?」
伝わってくる気持ちを繋ぎ止めるように空いた手を月島さんの手に重ね、両の手で握る。
『私…こんな性格だから上手く話もできなくて…
月島さんに嫌われてないかっていつも心配で…』
「夏乃さんは心配で放っておけない。俺、頼ってもらえるの嬉しいから、どんどん頼ってよ。」
顔を上げれば月島さんが笑う。
「なんで泣くの?」
ほろり、頬を伝う涙。
『嬉しい…から…』
ちゃんと気持ちが伝わったから
月島さんが微笑んでくれるから
だから嬉しくて涙が出るの。
「そんな泣き虫には…こうだよ?」
ふわり
引き寄せられ抱きしめられる体。
ふわりと香る月島さんの香り。
嬉しくて、でも恥ずかしくて
顔を見られたくなくて胸に顔を埋めるとさらりと撫でられる髪の毛。
『月島…さん?』
恥ずかしいけれど、ちゃんと顔を上げて、月島さんの顔を見る。
私の言葉を待つ月島さんは前に見たきらきらの笑顔。
ずっとこの笑顔が私に向いたらいいなって思っていました。
『はじめて会った時から、すきでした。』
end