第18章 『貴方の瞳を見つめるだけで。』 孤爪研磨 R18
『けんまー。もうすぐ焼けるから待っててねー?』
誕生日だからとねだられたアップルパイの焼き具合を見ながら、私はソファーで待つ研磨に声をかける。
「ん…」
小さな返事が聞こえたからキッチンから声の方を覗けば、手元にあるゲームを凝視する研磨。
久しぶりに2人でゆっくりできるんだけどな…
最近、研磨が部活で忙しくて学校以外ではなかなか会えない…
だからたまの休みはゆっくりしてほしいなと、本日両親がいない私の家でのお家デートにしてみたんだけど…
研磨が私を見てくれません!
確かにアップルパイ作ってるから研磨お暇だったかなー?とか思ったけど…
ちらりと見たオーブンの数字はあと数分。
これくらいだったら少し離れても大丈夫…かな?
私はエプロンを外しながらゲームに集中している研磨に近づいた。