第16章 『限定→本命カレシ。』 木葉秋紀 R18
「うあー…」
情事の後、木葉はなぜか落ち込んでいた。
『何?相手が私じゃ不満だった?』
「ちがうって…」
そう呟くと、木葉は寝転ぶ私の頭を撫でる。
「初めてだったのに無理させたなって…
結局、2回もシちゃったし…」
『そんなことで落ち込んでるんだったらもっと頭撫でて。』
ぶうっと口を膨らませると木葉はからからと笑いながら私の頭を撫でた。
「あ、そうだ。」
木葉は何かを思い出したかのようには体を伸ばして自分のカバンを取る。
そしてゴソゴソ漁ると小さな包みを取り出す。
「これ、片方やるよ。」
そう言われ袋を渡されたので、私はうつ伏せになり袋を開けた。
その中にはキラキラと輝く1つ石のピアス。
『綺麗…』
「前、約束したピアス。かなり遅くなったけど…」
眺めていると木葉は私の手からピアスを奪う。
『あっ…ちょっと!』
「お前、2つも必要ねーだろ?」
そう言って1つピアスを取ると木葉は自分の耳にピアスをつけて笑う。
「1つは俺の。」
キラキラ輝くピアスの色は
愛を表すローズピンク。
end