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【マフィア松】Focus Me【おそ松さん】

第4章 他人に悪事を行えばそれなりに仕返しされるもの


挨拶と共に差し出される右手と順番に握手していく。
なんだか四人分の体温を受け取ったみたいで右手が熱い。

「んじゃ早速作戦会議かなーっと。
そろそろムーメの持ってる情報教えてくんね?」

ボンヤリと自分の右手を見つめているとおそ松が私に問いかけてきた。
あ、うん、と答えて右手を降ろす。
気持ちを切り替えて話し始めた。

『そうだったね。
まず前提として、二人を捕まえてるのがカヴールファミリーってことで話を進めるけどいい?』

四人は私の問いかけに頷く。
私もそれを見て再び話し始める。

『結論というか、話飛ばすけど、そのカヴールファミリーのボスに直通する電話番号と、私がかけた時用の合言葉を聞いたの』

これは相手が、もし依頼を受けてくれる気になったら連絡してくれ、と言って教えてくれたものだ。
それ程までに松野おそ松は消えて欲しいと思われてるということだが、それは言わずにおく。

「上手く使えば向こうをおびき出して情報を得た上口封じも出来るってこと?」

トド松が嬉しそうに物騒なことを言ってくる。
相変わらず膝の上でパソコンを弄っている。

『そこまで上手く行くかはわからないけど…。
使ってみる?』

「もちろん。とりあえず連絡、電話?
呼び出すかなんかしてくれない?」

おそ松は二つ返事で答える。

『わかった。
電話、ここで話したほうがいい?』

「うん、できれば会話も聞いときたいんだけど。
なんか不都合でもあんの?」

『えー…。大丈夫。
ほら、電話の声って変わっちゃうの、あんまり聞かれたくなかっただけだから』

おそ松の問いに答えながらスマホを操作する。
特別嘘は言っていない。
かけるよ、と言って人差し指を口の前に立てる。
三人は神妙な面持ちで頷き、十四松は自分の手で口を塞いだ。

それを見てスマホを耳に当てる。
コール音の後、数秒の間が空く。
どうやら相手が通話に出たようだ。
間髪入れずに私は話し始める。

『どうも、ご無沙汰しております。
こちら人形店、ムーメドールズでございます。
お客様が以前ご来店された際、納品待ちだった商品なのですがキャンセルのお客様がいらしたため、お電話させていただきました』

落ち着いた喋り方と声色で、台本を読むようにこちらの要件を一気に喋る。
電話をかけてきた相手が私だとわかるようなワードをいくつかねじ込む。
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