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【マフィア松】Focus Me【おそ松さん】

第3章 魚心あれば水心


彼は結局そのまま依頼を続けてもらうようにと伝えた。
どうしても自分の思惑の元死んで欲しいんだ、と。
仲介人はそれを聞くと、先を越されないよう急ぐよう伝える、とだけ返してまた連絡は来なくなったという。

確かにそのもう一人の依頼人が今回の件に絡んでいる可能性はある。
僕たちはその殺し屋に話しを聞ければ何かわかるかもしれないと考えた。
しかし、彼が実際に会ったのは仲介人だけで、殺し屋がどんな人物なのかは知らない。
仲介人もいつどこで会えるか分からない。
彼自身一ヶ月かけて探し当てたという。

無駄骨だったか、と無表情にカラ松が身動きでにない男の眉間に銃口を押し当てると、慌てて男が早口で喋り出した。
その殺し屋と話したいなら方法がある、と。

この状況から逃れたいが為のでまかせかとも思ったが、取り敢えず話を促す。
僕たちには手がかりも、恐らく時間もない。

男はその殺し屋にもう一件依頼をしたらしい。
ターゲットは男に薬の売買を指示した雇い主らしいがどうでもいい。
とにかく、その依頼の決行予定日が明日だという。
なぜ明日なのか、と尋ねると、その日がターゲットの誕生日らしい。
自分の生まれた日が命日になるなんてざまあみろじゃないか、と男は得意げに言った。

男の悪趣味は置いておいて、確かに明日、そのターゲットの近辺にいれば殺し屋と接触できるかもしれない。
僕は場所と依頼の詳細を手早く聞き出す。
これは細いけれど、二人に繋がるかもしれない貴重な情報だ。

そして僕たちは事務所に戻り、各々準備を進めた。
あの男がどうなったかは僕は知らない。
たぶんカラ松が処理したんだろう。
どうせお前らは殺されるんだ、ざまあみろ、みたいな事を僕たちが廃墟を出るまで喚いていたな。


「僕たちはともかく、おそ松兄さんを狙うなんて相手が悪いよね。
あの人も、殺し屋さんも」
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