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【マフィア松】Focus Me【おそ松さん】

第3章 魚心あれば水心


「で、どうするの?
この子、このままにして危なくないの?」

本当に彼女が殺し屋で、僕たちの探してた人物だとすれば、狙われるのはおそ松だ。

「ハニーストラップ!」

ハニートラップね、と十四松に訂正する。

「仲間とかはいなさそーだったし武器っぽいのは持ってなかったけどな」

そう言っておそ松はソファーで寝ている少女の前にしゃがみこみ、おもむろにスカートをめくった。

「ちょっ!何してんの!?」

僕はおそ松の後ろから頭を叩く。

「にーさんお触りはあきまへん」

十四松もブーッと言いながら両手で大きくバッテンマークを作ってみせる。

「いや、違くてさー。
ほら、映画とかであるじゃん。
女スパイとか暗殺が下着に武器隠すやつ」

頭を摩りながら言うが、締りのない表情をしている。

「そんな顔で言われても」

下心見え見えな長男に呆れつつ彼女のものらしいバッグに手をかける。

「そういうトド松だって女の子の持ち物漁るなんていい趣味してるじゃーん」

おそ松がからかいながら覗いてくるが無視する。
十四松は少女の寝顔を観察しているようだ。

「んー、確かに武器らしいものは入ってないね」

スマホの中身も見てみるが特に不審な点はない。
あるとすれば、年頃の女の子にしてはメールや電話帳の登録数が少ないことぐらいだろうか。

「…フツーだな」

「…フツーだね」

「本当に殺し屋なのかなぁ」

うーん、と三人は唸るが、答えはわからない。

「ま、起きたら、だな」

おそ松が立ち上がる。

「元の情報が少ないもんね」

とりあえずスマホの方をもうちょっと解析してみるよ、と言ってパソコンへ向かう。

「おー、じゃあ俺ちょっと出かけてくるわ」

「え、この子置いて?どこ行くの?」

「いや、起きて俺が居たら何するかわかんないし。
動揺して暴れてかかられても怖くない?」

お兄ちゃんまだ死にたくないよぉ、とおどけてみせる。

「でもみんな顔一緒だから間違えて殺されるかも!」

ゾッ!と十四松は口元に手を当てて言う。

「別に丸腰の女の子ならトド松でも大丈夫だろ」

ついでにその子に食わせる物も買ってくるわ、と言い残しておそ松はさっさと部屋を出て行ってしまった。
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