• テキストサイズ

【マフィア松】Focus Me【おそ松さん】

第3章 魚心あれば水心


「…おそ松兄さん、いくら女の子に飢えてるからって誘拐はちょっと」

「ドン引きッス」

あからさまに引いてる二人を見て、おそ松は慌てて弁解する。

「いやいや、違うから!
この子がいきなり倒れたの!」

さすがにほっとけないじゃん、と言うが半分、いやほぼ下心だろう。

「それにさー、この子あの屋敷から出てきたっぽいんだよね」

その言葉に僕と十四松はお互いを見て、それからおそ松の腕の中の女の子を見る。

ふわふわした淡く長い髪に、血の気のない白い肌、眠る顔は人形のようだ。
少女、と言ってもいいくらいの年齢に見える。

「この子がそうだって言うわけ?」

どう見てもそうは見えない、と言外に言う。

「でもさー他にいなかったんだよ?
それに俺の顔見て驚いてたっぽいし」

そう言ってソファーに近づき、少女を降ろす。
十四松は横を通り過ぎて行った二人にハッとした顔になって、ソファーに眠る少女に近づくと、鼻を鳴らし始めた。

十四松兄さん、と声をかけると不思議そうな顔をしてこちらを振り向く。

「兄さん、この子、ちょっとだけ血の匂い?するッス」

生理かなー、とおどけながらいつもの顔に戻り少女から離れる。
生理かどうか確かめる気はないが、十四松の言いたいことはわかった。

「…じゃあ本当にこの子が?」

十四松が言うなら間違いないのだが。
半信半疑ながらスヤスヤと眠る少女を見つめて呟く。
隣でおそ松がため息を吐く。
お目当の人物を発見できた安堵半分、連れてきた可愛い女の子が一般人じゃなかった悲嘆半分だろうか。

「ああ、恐らく殺し屋だな」
/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp