第13章 一番君を好きなのは*紫原*
「10分休憩!身体を冷やさないようにしろ!」
ふー、疲れたー。
今朝買ったまいう棒の新味をさくり、と口に運ぶ。
うーん、もう一味欲しいかな。
ジャージのポケットから取り出したのは新味のチロロチョコ。
「ちーん。」
さっちんと話しているちんにおいでおいで、と手招きすると、にこっと笑って駆け寄ってきてくれた。
「ん?何、あっくん?」
「これあげるー。」
ちんの小さな手をとり、チョコを落とした。
「うわー、ありがとっ!練習終わったら食べるね。」
甘いものが大好きなちんは、パッと明るい笑顔を咲かせた。
「ちんだけだからね。」
少しだけオレの気持ちに気づいてほしくて、こんな事言ってちんの顔を覗きこんだ。
「え?」
ほっぺがちょっと赤くなって、一瞬だけいつもより女の子っぽい顔をした。
「おーい、!」