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黒子のバスケ*Short Stories2

第10章 和みの秋の日*黒子*


秋風が通り抜ける並木道を二人で並んで歩く。

深い赤に、黄土色、橙色、茶色。

景色はすっかり暖かみを帯びた色へと変わっていた。

手を繋ぎたいなって思うけど、自分から握るのは気恥ずかしい。

そういう時は彼の服の袖をそっと掴む。

彼は私の小さなアピールに気付くと、白くて綺麗な指を私の指に絡めてくれる。

見た目のギャップに反した男の子らしいごつっとした手が私はすごく好き。

彼の横顔を密かに見つめると、頬を赤く染めていた。

「…あんまり見ないでください。…何度やっても照れるんですから。」

なんかいいな、こういう恋。

ジェットコースターみたいに山あり谷ありの方がスリリングかもしれないけど。

ぽかぽか日だまりみたいに包み込んでくれる優しさに心が暖かくなる。

ねぇ、テツくん。

「久しぶり」って思わないのは、会えなくてもいつもテツくんの気持ちを感じられるから。

あまり口数は多くないはずなのに、電話をくれたり。

必ず練習前の朝と家に帰った夜にメールをしてくれたり。

この恋を大事にしたい。

当たり前のこの日常に感謝。

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