第8章 大人で余裕な彼*今吉*
「ー。ちょっと来てくれへん?」
「はい!」
部活が始まる前に主将がマネージャーの私を呼んだ。
話す時間が出来て嬉しいな、なんて思って顔がついついにやけてしまう。
「これ、来月の予定やで全員に配っといてな。あと…」
情報解析はさつきちゃんというスペシャリストがいるので、私の仕事は主に雑用。
二人で予定表を見ながら、トレーニング内容や練習試合の準備などを確認していた。
すると、急に主将の声が少し小さくなった。
「…、この日休みになっとるし…久々にどっか行かん?」
私の顔を覗き込むようにして、いつもと変わらぬ笑みを浮かべる彼。
そんなことするから、私は急に恥ずかしくなって同時に顔が一気に熱くなった。
彼は「タコみたいやなぁ。」って目を細めて面白がって笑ってる。
本当に一筋縄ではいかない相手。
でも、大好き。