第7章 10月9日*紫原*
なーんか、今日はちんの様子がおかしい。
朝練で会った時は目をうさぎみたいに真っ赤にしてるし。
授業中は珍しくうとうとしてるし。
部活の時も何だかそわそわしてる。
だから、思いきって聞いてみた。
「ちん、どうしたのー?今日具合でも悪いの?何か変。」
「えっ?元気だよ!気にしないで!」
えへへーって笑うけど、なんかいつもと違う笑い方。
「あっ!敦、私氷室先輩に呼ばれてるから!後でね!」
そう言うと、さっさと室ちんのところに行ってしまった。
あと一番嫌なのは、今日はやたら室ちんと喋ってる。
何で今日に限ってそんななの?
今日はオレの誕生日なのに。