第6章 頑張れ*笠松*
年も明け、3学期が始まった。
授業後の教室でそれぞれ教科書や問題集を広げ、勉強に励む。
「うー…気が狂いそう。」
勉強勉強の毎日にうんざりして、私は机に突っ伏した。
すると、向かいに座っていた幸男が呆れ顔で呟いた。
「お前元々変だから大丈夫だよ。」
「それ励ましてるの?けなしてるの?どっちよ!」
私と彼の口喧嘩に、森山が口を挟んだ。
「笠松!お前女の子に変だなんてどういうことだ!女の子に言うことは二つだぞ!それは…」
「可愛い、と好き、だろ!もう聞き飽きたわ!」
「お前らもっと集中しろよ…。」
森山が女子に対する持論を語り、幸男が突っ込み、小堀が宥める。
いつもと変わらない光景。
でも私がこの光景を見ていたのは以前まで体育館だった。
最後のWCが終わり、私たちは3年間を過ごしたバスケ部を引退した。