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黒子のバスケ*Short Stories2

第47章 一番の薬*高尾*


体調を崩してから、今まで当たり前に生活できていた健康な体の有り難みがわかるものなんだな。

そんなことを熱にうなされた頭でぼんやりと考えていた。

昨日から喉が痛くて、夜には少しだけ熱があった。

だけど今日は終業式だし、行くぞ!と意気込んで行ってみたものの、座っているのがやっとで部活に行くには体が限界だった。

知らない間に咳まで出て苦しいし、熱もだんだん上がっていくのが自分でもわかった。

もたつく足で何とか先生のところに行って部活を休む旨を伝えたら、先生が私を家まで送り届けてくれた。

…伝えられなかったな。

いきなり部活行かなかったから心配してるかな。

携帯を握るのもしんどいほどに、体は弱っていた。

こんな日に限ってお父さんは出張、お母さんはパートの中番で帰ってくるのが9時過ぎ。

身の回りのことだけはしてもらえたけど、どうにも体を起こすことがまず辛い。

日も落ちて夜の闇に部屋が包まれた時に、インターホンが家の中に鳴り響いた。

家に誰もいないし、 何とか重い体をベッドから無理やり起こして、壁に手をつきながら玄関の扉を開けた。

「ちゃん、大丈夫か?」
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