第40章 Merry Christmas!2013*青峰*
大輝が紙袋から何かを取り出す音が聞こえ、私の手にはめたものはリボンモチーフの白い手袋。
突然の出来事に、私は目を丸くした。
「…え?どうしたの、これ?」
「今日クリスマスイブだろ。…朝買ってきた。」
「じゃあ、今日遅刻したのって…。」
「わざわざ言わすな。…それ買うの、すげー恥ずかしかった。」
こんな可愛い手袋、売っているお店だって女の子向けのお店だろうに。
しかも大輝みたいなのが入ったら、絶対目立つに決まってる。
「…ありがとう。すごい嬉しい!」
「…そりゃよかった。それしてれば、手暖かいだろ。」
確かに。
だけどね。
「大輝と手繋いだらもっと暖かくなるんだけどな。」
「…へーへー。」
顔を覗きこんでも、大輝は俯いて目を合わせてくれない。
だけど口元に笑みが見えて、大輝は手袋をした私の手を黙って握った。
ほんの少しの時間だけど二人きりで過ごすクリスマスイブ。
期待してなかった分、もう幸せな気持ちで胸いっぱい。
帰ったらパーティー楽しめそう!
「なぁ、。今日終わったら、どっか行こうぜ。」
「うん。…でも何で急に?」
「クリスマスイブ、だからだろ。」
…胸いっぱいすぎて、死んじゃうかも。