• テキストサイズ

黒子のバスケ*Short Stories2

第38章 間違いが運んだ幸せ*黄瀬*


「っちめちゃくちゃ優しいし、一緒にいて落ちつくんスわ。」

…嬉しい。

勿体ないほどの褒め言葉。

さっきまで嫉妬でぐちゃぐちゃしてた気持ちが、涼太の言葉だけで一気に晴れた。

「涼ちゃん…やっぱ呼び慣れない!きーちゃん、彼女さんの写真見せてよー!」

「…はいはい。……うぇぇっ!?」

あ、携帯ポケットから取り出して気付いたのかな。

とりあえず気持ちは満たされたし、繋がっていたところで電話には出られないだろうから通話終了。

すると、すぐに折り返しで涼太からの着信が入った。

「もしもーし。」

「っち!…さっきの会話聞いてた?」

「うん、聞こえちゃった。…最後の嬉しかったよ、ありがとうね。」

「うわー…めっちゃ恥ずかしいっスわ。なんか知らないけど、勝手に通話ボタン押しちゃってたみたいで!それで…」

焦る涼太が何だか面白いし、不安にさせられてちょっと悔しいから、もっと困らせちゃおうかな。

「涼太が可愛い女の子とデートしてたみたいだから、ヤキモチ妬いて寂しくなった。」

「違うって!あれは、中学の時の部活のマネージャー!っち、信じて!」

言われなくても信じてる。

私のことを話す涼太の言葉と声色に、偽りの気持ちなんて感じなかったから。

なんて幸せな間違い電話。

/ 323ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp