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黒子のバスケ*Short Stories2

第33章 Merry Christmas!2013*赤司*桜井*


気付けば日も暮れ始めていて、部屋の中も薄暗くなっていた。

テーブルには所狭しと美味しそうな料理が並べられた。

「結局ほとんど良くんにやってもらっちゃったね…。」

「そんな!ちゃんがいたから早く出来たし、一人でやるよりもずっと楽しかったから…。」

良くんの笑顔を見れば、本当にそう思ってくれていることが信じられた。

クリスマス仕様の少し豪華な料理に、テーブルの真ん中には二人でデコレーションしたクリスマスケーキ。

料理を口に運べば、いつもより頑張った分だけずっと美味しく感じられた。

将来もし結婚したら、こんな風に一緒にお料理して二人でテーブルを囲めるのかな?

食後の紅茶とデザートのケーキを堪能しながら、ふとそんな思いを巡らせた。

「ちゃん、どうしたの?ぼんやりして…。」

気が付けば隣に座る良くんが首を傾げて私の方を見つめている。

あまりにも胸がいっぱいで、気持ちが上の空だったみたい。

「ごめんごめん。…ちょっと幸せに浸ってただけ。」

素直に気持ちを言葉にしてみれば、良くんの顔は赤く染まった。

良くんは照れていることを誤魔化すようにまつげを伏せて紅茶を啜るので、私も何だかくすぐったい気持ちを隠しながら手作りのケーキの美味しさを楽しんだ。

すぐに他愛もない言葉を交わし始めると、良くんは私の顔を見て何かに気付いた。

「あれ?ちゃん、クリームついてるよ。」

「えっ!やだ…。どこどこ?」

「…ここ。」

良くんは私の肩を掴み、段々と顔を近づけてきた。

無意識に目を閉じると、唇から少しずれた場所に温もりを感じた。

キスされると思って、身構えた私の一瞬の緊張返して。

「そんな取り方しないでよ…。良くんのバカ!キスされると思ったじゃん!」

「ス…スイマセン!クリスマスだし、こういうこと少しならしてもいいかなって思って…。」

いや、いつもと違う雰囲気にはドキドキしたけどね。

でも、それじゃやっぱり物足りない。

「良くん、ちゃんとキスして?」

良くんは大きな目を更に大きく見開いて、それから満面の笑みを浮かべた。

「う、うん!」

二人だけのクリスマス。

誰にも邪魔されないし、誰も見てないから。

いっぱい「大好き!」って伝えよう。
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