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黒子のバスケ*Short Stories2

第3章 ボーイズトーク*木吉*桜井*笠松


<笠松>

笠松は、木吉と桜井それぞれの微笑ましい光景を眺めつつ携帯電話に視線を落とした。

「そろそろあいつ来ねーかな…。」

すると、想いが通じたように彼女からの着信が入った。

「もしもし、ゆき?今大丈夫?」

「…電話出られたってことは大丈夫ってことだろ。着いたか?」

「あっ、そっか!…うん、着いたよ。今公園の入り口。」

「ん、わかった。迎えに行くわ。」

彼女の声を聞いただけで、彼らを少し羨んでいた気持ちがすっと晴れた。

入り口へと向かうと、笠松に気付いた彼女が笑って手を振っていた。

「私来て大丈夫なのかな?部員でもないのに…。」

辺りを見回して不安げな顔をするを見て、
笠松はぽんと頭の上に手を置いた。

「黄瀬とかお前になついてるし大丈夫だろ。てか、心配しすぎ。」

「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔しちゃおう。ゆきがバスケするの観られるの滅多にないもんね!」

「そういえば、次黄瀬のところとだぜ?お前も観てて面白いんじゃねーの?」

「じゃあゆきが勝てるように…お弁当作ってきたんだけど食べる?」

目の前に差し出された水色の紙袋に、笠松は目を丸くした。

「はぁっ!?」

「ごめんね、突然思い立っちゃったから。お昼食べちゃった?」

「いや…。てか、彼女に弁当作ってもらうとか初めてだから驚いた。…ありがとな。」

ギリギリのプライドで顔が綻ぶのを隠そうとしているが、口許の緩みだけは抑えられなかった。

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「笠松さんも彼女さんがいらっしゃったんですね。」

「海常の主将もあんな柔らかい表情してると別人みたいだな。」

試合の時間が近付き笠松を探していた二人だったが、幸せそうな一時を過ごしている彼に声がかけづらく躊躇っていた。

そこに、次の対戦相手の一人の黄瀬がやってきて、見慣れた二人に何食わぬ顔で声をかけた。

「あー!さん!こんにちはっス。手作り弁当いいなー!なんか俺にはないんスか?」

「おい黄瀬!にすがるな!…ったく邪魔しやがって。絶対勝つからな!」

そこへ木吉と桜井も合流して、木吉は黄瀬に重い一言を喰らわせた。

「俺らは皆手作り弁当食べたから、パワー満タンだぞ?」

「くっそ!リア充じゃないっスか!」
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