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黒子のバスケ*Short Stories2

第30章 眠る君に安らぎを*緑間*


「…うん。」

真ちゃんのお願いを断るわけもなく、何も言わずにそのまま後ろから抱き締められる。

彼はぴたりと身体を寄せて、まるで身体全部を使ってわたしを包み込んでいるみたい。

…甘えてくれているのかな?

滅多に弱さを見せたりしない彼が、私には時折甘えて頼ってくれることがとても嬉しかった。

「…最近忙しそうだったもんね。」

「ああ。…こうしてお前を抱き締めていると、とても落ち着くのだよ。」

彼が一息つける場所になれていたなら、それは幸せ。

いつでも彼の心の拠り所でありたい、と思う。

「すまない…。身体が冷えてしまっているな。」

そういえばお風呂に入ってから大分時間が経ってしまった。

一人で彼をベッドで待っていても何だかなぁ。

「うーん…もう一回真ちゃんとお風呂入ろうかな。…一人で寝るの寂しいもん。」

「そうか…。じゃあ一緒に入るのだよ。」

こうして自分の時間も私に分けてくれるほど、心を許してくれている彼との時間が愛しい。

釣り合わないかもしれないけど、あなたが私を必要としてくれるならそれで十分。

いつでもあなたに安らぎを。

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