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黒子のバスケ*Short Stories2

第27章 告げられない想い/高尾*宮地


ただね、自分の中の「特別」を呪った。

俺の目はチームにとっては武器の一つになってたけど、自分にとっては凶器になった。

見えちゃうんだよ。

ちゃんを見つけた時、いつも視線の先にはあいつがいた。

それだけならさ、俺の方へ振り向かせるためにガムシャラになれば良かったのにね。

練習中に気を抜くことなんかないあいつが、たまにぼんやり遠くを眺めることが増えていった。

その先には、俺が大好きなあの子。

お互いを見ている時の目は、二人とも俺や周りに向けている時とは全く違う。

穏やかで、暖かくて、優しい目。

無理やりあいつにちゃんの名前を呼ばせた時も、二人とも見たことない表情だった。

「ほらー、真ちゃんもちゃんのこと名前で呼んでみなって!」

「…わかったのだよ。……。」

「…!……はい!」

滅多に表情を変えない真ちゃんが、顔を真っ赤にしていて。

ちゃんは、いつもの屈託のない笑顔とは違う、はにかむような柔らかい笑顔だった。

結構人事は尽くしたつもりだったんだけどね。

まだまだ甘かったみたいだわ。

真ちゃんがよく言う「運命なのだよ」ってことかよ、これ。

好き同士の二人だってわかっているのに、波風立てるのなんて…ごめんだわ。

きっと二人は気付いていない。

特に真ちゃんなんかそういう類いにはかなり鈍いだろうし。

だったら、この想いを閉じ込める。

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